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TRAVIL(トラヴィル)は、アイアンでグリーンを狙い、ボールを止めるために重要な「落下角」に着目して開発された、フジクラのアイアン用カーボンシャフトです。
2023年7月に発売され、2024年3月には軽量モデルのTRAVIL 75が追加されました。
カーボン・金属・ゴムを複合した構造が特徴で、重量帯は75・85・95・105・115の5種類です。
ただし、モデル名の数字と実際のシャフト重量は同じではなく、フレックスによっても重量が異なるため、購入前にはスペックの確認が欠かせません。
また、ヘッドスピードだけで適したモデルを決めることはできず、現在のシャフト重量や振り心地、試打時の弾道も判断材料になります。
「せっかくナイスショットしたのにグリーンをオーバーしてしまう」「スチールシャフトの重量感は好きだが、後半になると飛距離や上がりが厳しくなる」とお悩みの方に向けて、この記事ではTRAVILシャフトの特徴や正しいスペック、75・85・95の違い、NEW MCIとの比較を整理します。
公式に紹介されているプロの試打例や購入前の確認事項も含め、自分に合うTRAVILを選ぶためのポイントを解説します。
TRAVILシャフトとは?特徴とスペックを解説
TRAVILシャフトは、アイアンショットでボールを止めるための落下角を重視して開発されています。
素材の組み合わせや重量、フレックスを確認すると、現在使用しているシャフトとの違いを比較できます。
TRAVILシャフトは落下角を重視した設計
落下角とは、飛んだボールが地面に向かって落ちてくるときの角度です。
フジクラは、グリーンを狙うショットでツアープロが重視する要素として落下角に着目し、TRAVILを開発しました。
「せっかく狙い通りに飛んだのに、グリーン上で止まらず奥のラフまでこぼれてしまう…」という悔しい悩みを解消するため、打ち出し角やスピン量に加えて、ボールがどの角度で着地するかまで徹底的に計算された設計です。高弾道で真上からグリーンに攻められるボールを実現します。
金属・ゴム・カーボンが生み出す「理想のめくれ球」
TRAVILは、金属による重心調整、ゴムによるしなり戻りのコントロール、カーボンによる剛性設計を組み合わせています。
- 金属(重心調整): スチールシャフトから持ち替えても違和感のない重量感と安定した振り心地を実現します。
- ゴム(粘りと打感): 切り返しで手に吸い付くようなタイミングの取りやすさと、マイルドで心地よい打感を提供します。
- カーボン(剛性制御): Tour Ability Structureを採用し、手元の剛性を抑えながら先端を高剛性化。インパクトで先端が負けず、力強い弾道を生み出します。
NEW MCIで紹介されているDHXとは区別される、TRAVIL独自の複合素材構造です。「カーボン特有の弾きすぎて暴れる感覚」が苦手な方にこそ試してほしい、スチールとカーボンの長所を融合した設計になっています。
TRAVILシャフトの重量・トルク・フレックス一覧
TRAVILは、75・85・95にRとS、105・115にSとXが用意されています。
調子は全モデルで中元調子です。
重量とトルクは、モデル名だけでなくフレックスも合わせて確認してください。
| モデル | フレックス | 重量 | トルク | 調子 |
|---|---|---|---|---|
| TRAVIL IRON 75 | R | 75.5g | 2.9 | 中元 |
| TRAVIL IRON 75 | S | 77.0g | 2.9 | 中元 |
| TRAVIL IRON 85 | R | 86.5g | 2.7 | 中元 |
| TRAVIL IRON 85 | S | 88.0g | 2.7 | 中元 |
| TRAVIL IRON 95 | R | 97.0g | 2.3 | 中元 |
| TRAVIL IRON 95 | S | 99.0g | 2.3 | 中元 |
| TRAVIL IRON 105 | S | 108.0g | 2.2 | 中元 |
| TRAVIL IRON 105 | X | 110.0g | 2.2 | 中元 |
| TRAVIL IRON 115 | S | 118.0g | 2.0 | 中元 |
| TRAVIL IRON 115 | X | 120.0g | 2.0 | 中元 |
※重量・トルクはメーカー公表の7番アイアン用データです。
TRAVILシャフトの評価|試打結果をどう判断する?
TRAVILシャフトの評価を確認する際は、設計上の特徴と、試打した人の感想を分けて考えることが大切です。
試打結果を参考にするときも、使用した重量帯やフレックス、比較したクラブを確認してください。
公式テストでは落下角の変化を確認
フジクラは、国内男女ツアー選手によるテストを重ね、30種類以上のプロトタイプから製品化する仕様を絞り込んだと説明しています。
公式に紹介されているテストでは、選手の使用クラブと比較して平均1.1度、落下角が大きくなったという結果です。たった1度強の違いに見えますが、実際のグリーン上では「ラン(転がり)が数ヤード抑えられてピタッと止まる」という大きなメリットにつながります。
この数値は開発時のテスト結果であり、すべてのゴルファーに同じ変化が出ることを示すものではありませんが、止まりやすさを求める上での大きな参考資料になります。
試打の感想は重量とフレックスも確認
公式特集では、弾道の高さや落下角、切り返しでのタイミング、打感について試打者の感想が紹介されています。
ただし、同じTRAVILでも、85-Sと115-Xでは重量やフレックスが異なります。
「振りやすい」「タイミングを取りやすい」という感想を参考にする際は、自分が検討している重量帯・フレックスに近い仕様での評価なのかも確認する必要があります。
「TRAVILは飛ばない」と一律には判断できない
TRAVILの開発では、グリーンを狙って止めるための落下角が重視されています。
ただし、その設計目的だけで「飛距離が落ちるシャフト」と判断することはできません。高弾道化やミート率の向上によって、むしろキャリーが伸びるゴルファーも多く存在します。
飛距離の変化を確認する場合は、同じ番手でキャリーや弾道を比較し、重量・フレックス・ヘッドなどの条件もそろえて評価してください。
TRAVILシャフトが合う人・合わない人の判断ポイント
TRAVILシャフトを検討するときは、アイアンで改善したい点を整理することが出発点になります。
ご自身の悩みと照らし合わせ、求める弾道と重量の条件を明確にしたうえで試打・比較へ進んでください。
こんなお悩みがある方にTRAVILは一押しです
- グリーンに着地してからいつも10ヤード以上転がってしまう
- ミドル〜ロングアイアンで球が上がりきらない
- スチールの重さやコントロール感は捨てたくないが、後半バテるのを防ぎたい
- 手首や肘の負担を減らしつつ、しっかり叩けるアイアンにしたい
上記に1つでも当てはまるなら、TRAVILへのリシャフトでアイアンショットの質が大きく向上する可能性が高いです。
グリーンで止めるための弾道を確認したい方に
アイアンのボールがグリーンに着地してから転がりすぎる場合、TRAVILは最優先の比較候補になります。
落下角に着目した設計のため、試打では総飛距離だけでなく、キャリー・打ち出し角・スピン量・落下角のバランスを確認してください。現在のクラブと比較し、狙う距離でしっかり止まるかを判断します。
スチールシャフトからカーボンへ変更したい方に
TRAVILは75.5gから120.0gまでの公表重量があり、現在のスチールシャフトに近い重量帯をそのまま選べるのが強みです。
カーボンへ変更するからといって、必ず大幅に軽量化する必要はありません。「重量感は維持したまま、カーボンの上がりやすさと身体への優しさを手に入れたい」という希望を叶えてくれます。
すでに十分な高さがある方は弾道を比較
現在のアイアンで十分な高さと止まりやすさがある場合、TRAVILへの変更で改善したい点を明確にする必要があります。
「球が高いから合わない」と決めつけず、試打で高さやキャリー、左右のばらつきを比較してください。弾道の高さだけでなく、狙った距離を繰り返し打てる安定性も判断材料です。
TRAVILシャフトの適正ヘッドスピードと選び方
確認できた公式製品資料には、TRAVILの重量帯ごとの適正ヘッドスピード表は掲載されていません。
そのため、特定の速度だけで75・85・95・105・115を振り分けることは避け、重量やフレックスも含めて比較してください。
ヘッドスピードの数値は測定クラブも確認
ヘッドスピードを参考にする場合は、ドライバーで測定した数値なのか、アイアンで測定した数値なのかを確認する必要があります。
アイアンの場合も、何番で測定したかが不明な数値では比較条件をそろえられません。速度の数値だけを見てTRAVILのスペックを決め打ちせず、現在扱えているシャフト重量を基準にするのが失敗しないコツです。
現在のシャフト重量を比較の出発点にする
TRAVILを選ぶ際は、現在使用しているシャフトのモデル名、フレックス、公表重量を確認してください。
軽量化したい場合も、まず現在と近い重量を比較し、その後に軽い仕様を試すと違いを整理できます。モデル名の数字(例: 85)だけでなく、R・S・Xそれぞれの実重量を確認することがポイントです。
試打では振り心地と弾道を合わせて確認
試打では、切り返しのタイミングや振り切りやすさに加えて、キャリーと左右のばらつきを確認してください。
TRAVILの特徴を比較するなら、落下角や打ち出し角、スピン量も確認したい項目です。一度の良いショットだけで決めず、複数球の結果を現在のクラブと比べて判断します。
TRAVIL 75・85・95の違い|重量別の選び方とターゲット
TRAVIL 75・85・95は、いずれもRとSを選べるモデルです。
同じSフレックスで比較すると、75は77.0g、85は88.0g、95は99.0gとなり、隣り合う重量帯では11.0gの差があります。ご自身のセッティングや体力に合わせて最適なスペックを選んでください。
TRAVIL 75|軽量化でラクに高さを出したい方に
TRAVIL 75は、5つの重量帯の中で最も軽いモデルです(R: 75.5g / S: 77.0g)。
軽量スチール(N.S.PRO 750/850GHなど)や重めのアベレージ向けカーボンからの変更に最適です。「アイアンの振りを軽くしてヘッドスピードを上げたい」「ラクに高弾道でグリーンを狙いたい」という方の比較候補になります。
TRAVIL 85|一番人気!定番スチールから移行したい方に
TRAVIL 85は、Rが86.5g、Sが88.0gです。
N.S.PRO 950GHなどの定番軽量スチールを使用中で、「今の重量感を大きく崩さずに、カーボンの上がりやすさと身体への負担軽減を手に入れたい」という方に一番選ばれている王道スペックです。
TRAVIL 95|100g前後のスチールから粘りを求めたい方に
TRAVIL 95は、Rが97.0g、Sが99.0gです。
ダイナミックゴールド105やModus 105など、100g前後のシャフトを使用しているアスリートゴルファーが比較しやすい仕様です。「重さは欲しいが、後半バテずに高弾道で止めたい」という期待にしっかり応えてくれます。
TRAVIL 105・115|重厚感とマイルドさを両立したいハードヒッターへ
TRAVIL 105・115には、SとXが用意されています(105: 108.0〜110.0g / 115: 118.0〜120.0g)。
「重いスチール(Dynamic Gold S200など)の重量感やしっかり感が好きだが、打感をマイルドにして高弾道で止めたい」というパワーのある方に向けた本格仕様です。
TRAVILとNEW MCIの違い|設計と重量を比較
TRAVILとNEW MCIは、どちらもフジクラのアイアン用カーボンシャフトです。
TRAVILは落下角、NEW MCIは高いスピン性能と滑らかな振り心地を重視しており、どちらも弾道とフィーリングを比較する必要があります。
TRAVILとNEW MCIの技術・重量帯の違い
TRAVILは金属・ゴム・カーボンを複合し、NEW MCIはMCT・DHX・外径ギャップレス設計を採用しています。重量帯やフレックスの選択肢にも違いがあります。
| 項目 | TRAVIL | NEW MCI |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2023年7月(75は2024年3月追加) | 2025年 |
| 開発で重視した点 | グリーンで止めるための落下角 | 高いスピン性能と滑らかな振り心地 |
| 主な技術・構造 | 金属・ゴム・カーボンの複合構造、Tour Ability Structure | MCT・DHX・外径ギャップレス設計 |
| 重量帯 | 75・85・95・105・115 | 50・60・70・80・90・100 |
| フレックス | 75・85・95はR/S、105・115はS/X | R/S |
| 調子 | 中元 | 中 |
TRAVIL 75とNEW MCI70の重量を比較
Sフレックスでは、TRAVIL 75が77.0g、NEW MCI70が75.0gで、公表重量の差は2.0gです。
Rフレックスでは、TRAVIL 75が75.5g、NEW MCI70概念が73.0gとなります。
重量が近いモデルでも、調子(TRAVILは中元調子、NEW MCIは中調子)や内部構造が異なるため、振り心地や弾道の上がり方が変わってきます。
TRAVILとNEW MCIはどちらを選ぶ?
- 真上からドスンと止める弾道や、手元側の粘り・タイミングの取りやすさを重視するなら:TRAVIL
- 全体的な滑らかさやスピン性能の高さを重視するなら:NEW MCI
どちらも高性能なシャフトですが、狙う弾道イメージによって適した選択が変わります。近い重量のモデルを同じヘッドで試打し、着地後の転がりとフィーリングを打ち比べるのが確実です。
TRAVIL使用プロ|公式に紹介されている試打例
TRAVILの公式特集では、プロによる試打と、その際に使用したスペックが紹介されています。
ただし、特集での試打例と、現在の試合で使用しているクラブの情報は区別してください。
男子プロのTRAVIL試打例
公式特集では、金谷多一郎プロがTRAVIL 105-S、北川祐生プロがTRAVIL 115-Xを試打しています。
ツアープロの過酷なセッティングでもグリーンをキャッチできる弾道や、落下角の変化、優れた振り心地が高く評価されています。
女子プロのTRAVIL試打例
杉山美帆プロは、公式特集でTRAVIL 85-Sを試打しています。
自身のクラブと比較して落下角が大きくなり、高弾道で止められる変化が実感されています。
プロと同じスペックが合うとは限らない
プロの試打例は、TRAVILのポテンシャルを知るための素晴らしい参考材料です。
ただし、プロと同じ重量やフレックスを選べば自分にも合うとは限らないため、自分の体力や現在のクラブと打ち比べ、最適なバランスを見つけることが成功への鍵となります。
TRAVILシャフトを購入する前の確認事項
TRAVILへのリシャフトを決定する前に、シャフト本体の仕様だけでなく、工房への依頼や組み立て費用も含めた確認を行っておくと安心です。
番手とフレックスを確認
TRAVILは番手別の製品長が設定されているため、必要な番手とフレックスを正しく指定して購入します。
スペック表の重量・トルクは7番アイアン用データであり、全番手共通の値ではありません。アイアンセット(5番〜PWなど)でまとめて交換する場合は、対象となる番手を販売店や工房へ正確に伝えましょう。
シャフト代と組み立て費用を確認
メーカー希望小売価格には、リシャフト作業工賃やグリップ代が含まれていないケースが一般的です。
ネットショップやゴルフ工房によって「シャフト単体価格」なのか「工賃・グリップ込みの価格」なのかが異なります。完成時の長さやバランスの調整についても、事前に作業を依頼するプロショップへ相談することをおすすめします。
TRAVILシャフトのよくある質問
TRAVILシャフトの適正ヘッドスピードは?
メーカー公式のヘッドスピード別推奨表は公開されていません。ドライバーのヘッドスピードだけで決めず、現在お使いのアイアンシャフトの重量やフレックスを参考に、試打での振り心地と弾道で選ぶのがベストです。
TRAVIL 85Sの重量と調子は?
TRAVIL 85Sのメーカー公表重量は88.0g、トルクは2.7、調子は中元です(7番アイアン用データ)。モデル名の「85」はカテゴリ表記であり、実重量は88.0gとなります。
TRAVILはDHXを採用していますか?
TRAVILにDHXテクノロジーは採用されていません。TRAVILの特徴は「金属・ゴム・カーボンの複合構造」および「Tour Ability Structure」です。DHXはNEW MCIに採用されている技術となります。
TRAVILとMCI70は重量が近いですか?
NEW MCI70(S: 75.0g)とTRAVIL 75(S: 77.0g)は非常に近い重量帯です。ただし、調子(TRAVILは中元調子、MCIは中調子)や構造が異なるため、実際に打ったときのタイミングの取りやすさや弾道には違いが出ます。
TRAVILは飛距離が落ちますか?
一概に飛距離が落ちるわけではありません。落下角を大きくして止める設計ですが、適切な重量とフレックスを選べば、ミート率向上や適正な高弾道化によってキャリーが伸びるケースも多くあります。
【まとめ】TRAVILシャフトでグリーンを攻めるアイアンへ
TRAVILシャフトは、グリーンでボールをピタッと止めるために必要な「落下角」に着目し、金属・ゴム・カーボンを複合して作られた画期的なアイアン用カーボンシャフトです。
- 狙った距離でボールを止めたい
- スチールの安定感とカーボンの上がりやすさを両立したい
- 身体への負担を減らしつつ、打感やタイミングの取りやすさを妥協したくない
このような悩みを持つゴルファーにとって、TRAVILは現状を打破する絶好の選択肢になります。
購入時のポイントは、現在のシャフト重量を出発点にし、ご自身の体力や求める弾道に合わせた重量帯(75/85/95/105/115)を選ぶことです。
信頼できる工房や販売店でスペックを確認し、狙い通りにグリーンを攻められる理想のアイアンを手に入れてください!


